近年プリウスが事故を起こすケースが後を絶ちません。ネット上では「プリウスロケット」なる造語まで作られてしまいました。また、トヨタの株主総会でも株主からプリウスの事故について質問が出たそうです。
プリウスの事故が多いのはなにか理由があるのでしょうか。
目次
プリウスが事故多発、後を絶たない…
プリウスの事故が続いています。報道では次のように伝えています。
◆相次ぐプリウスの暴走、その原因は?
またもやプリウスによる事故が起きた。6月3日の夜、大阪市此花区で、80歳の男性が乗っている乗用車が歩道に突っ込み、幼い子ども2人を含む4人がけがをした。
つい数週間前の5月15日にも、千葉県市原市の公園にプリウスが突っ込んだばかり。この事故では、保育園児をかばった30代の女性保育士が右足首を骨折している。運転していたのは65歳の男性だった。
4月19日には、東京・池袋で旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)が運転するプリウスが暴走。母親と幼い長女が亡くなり、飯塚元院長を含む10人が重軽傷を負った。
飯塚元院長は「アクセルが戻らなくなった」と説明しているが、警視庁の捜査でアクセルに異常は見つからなかったという。アクセルとブレーキを踏み間違えた可能性があるようだ。
引用元:HARBOR BUSINESS Online 2019年6月6日 8時32分(https://news.livedoor.com/article/detail/16575481/?p=1)
プリウスが事故多い理由はブレーキペダルやシフトレバーにあり!?
プリウスが事故を起こすと必ず指摘されるのがブレーキペダルとシフトレバーです。本当にそれが原因なのでしょうか。ここからは事故が多い理由について探っていくことにしましょう。
事故多い理由①:ブレーキペダルの踏み間違い?
高齢者の交通事故の原因で多いのが、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いです。自分ではブレーキペダルを踏んでいるつもりでも、足の位置がずれてアクセルペダルを踏むケースがほとんどです。
例えば、駐車場の支払い時にブレーキペダルを踏んだまま身体をねじった時に起こりやすく、ブレーキペダルを踏んでいるつもりでアクセルペダルを強く踏んでしまうというものです。
事故多い理由②:シフトレバーが分かりにくい?
プリウスのシフトレバーは独特の形状となっており、操作もこれまでのオートマ車とは異なります。プリウスに始めて乗った人は動かせないこともあるくらいです。
プリウスを「Dレンジ」に入れるには、レバーを右に振ってから下に下げる必要があります。しかし「Dレンジ」に入れてもレバーは元の位置に戻ってしまうので、これが操作をわかりにくくしています。
事故多い理由③:アクセルペダルが戻らない?
正しい運転操作をしていればアクセルペダルが戻らなくなることはありません。池袋で起きた暴走事故でも警察の見解は、アクセルとブレーキの踏み間違いです。
ただしフロアカーペットを二重に敷いている場合は、カーペットがアクセルペダルに絡んで戻らなくなることはあり得ます。
事故多い理由④:エンジン音がしない?
プリウスはハイブリッド車なので十分に充電されていればモーターで動き出します。したがって無音ということになります。これが事故に結びつくのではないかという見方もありますが少々疑問です。
そもそも普段、自分の車として使っているわけですから、プリウスのこういった特性についてはわかってるはずです。
事故多い理由⑤:プリウスの欠陥?
1997年に初代プリウスが発売されてから既に22年の年月が経過しています。その間トヨタは絶え間のない改良やモデルチェンジを行ってきました。したがってプリウスに何か欠陥があるとはまず考えられません。
確かにシフトレバーなどの操作系は独特です。
しかし、自分の車にすれば覚えて当然でしょう。これを欠陥と言ってしまったらトヨタが気の毒です。強いて欠陥を探すとしたら初代プリウスにはバッテリーの不良で燃費が極めて悪くなる個体があったくらいでしょうか。
なぜ高齢者によるプリウスの事故が多いのか
プリウスに限らず高齢者による交通事故にはいくつか原因が考えられます。順に見ていきましょう。
足の筋肉の衰え
高齢者は筋肉が弱っている人が多く、これが事故につながるというケースです。
「ブレーキペダルの踏み間違い?」でも述べましたが、ブレーキペダルを踏んだまま身体をねじると、足の位置がずれてしまいアクセルペダルを踏んでしまうというものです。
認識力の低下
これも加齢から来るものですが、高齢者は認識力が低下しています。
- ハンドブレーキをかけたつもりでかけていない
- パーキングに入れたつもりでDレンジのまま
など、様々な勘違いを起こします。
オートマ車に慣れていない
高齢者が免許を取得した頃は車の主流はマニュアル車でした。そして実は未だにオートマ車に慣れていないという高齢者も少なからずいるんです。
運転の便利さからオートマ車にしたものの、昔のマニュアル車の感覚が残っているので違和感を感じることになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はプリウスの事故が多い理由について見てきました。事故の原因はヒューマンエラーによるもので、プリウスのマシントラブルではありません。
プリウスは登録台数が多い車なので、たまたま事故が目立つということでしょう。車の運転に自信がない高齢者は免許を返上すべきです。
車を維持し続けるよりも、必要な時にタクシーを使う方が、トータルで見ると出費も抑えられはずです。