タイヤには「スリップサイン」という摩耗を示すマークが付いています。また、スリップサインが出たタイヤをそのまま使用し続ける行為は、とても危険な行為なのです。
恥ずかしながら私も初めて車を持った時、スリップサインについては教習所でも習ったはずなのにその重要性を無視して、あいにく大事故になりかけた経緯があります。
やはり車に乗る以上、タイヤのスリップサインについてくらいは知っておかなければいけませんよね。そこでこの記事では、タイヤの保守点検時には、必ずチェックしなければならないスリップサインについて、分かりやすく解説したいと思います。今まで、
- スリップサインの事は知っていたけどよく分かってない
- スリップサインについて詳しくなりたい
そんな方は、この記事を最後まで読む事で十分理解できるはずです。是非、タイヤの危険信号でもあるスリップサインについて理解を深めてみましょう。
目次
タイヤのスリップサインとは?何を意味している!?
スリップサインは道路運送車両法という法律で、タイヤに付けられることが定められたサインです。
タイヤのサイドウォールに(△)マークで表示されていて、公道を走行する車のタイヤには、乗用車はもちろんトラックやバスのタイヤにも付いています。
スリップサインはタイヤの寿命を示す大事なマークです。その仕組みは単純で、タイヤの溝が1.6ミリ以下になると、タイヤのトレッド面(地面についている所)と高さが同じになるので、サインが現れる様になっています。
タイヤのスリップサインが出ると何が問題!?
スリップサインが何を表すのかは理解できました。
では、スリップサインが出ると何が問題なのでしょうか!?主には、
- スリップしやすくなる
- ブレーキの効きが悪くなる
- 走行する道路が制限される
などの問題が出てきます。では、順に詳しくみていきましょう!
1スリップしやすくなる
スリップサインが出たタイヤは文字通りスリップしやすくなります。特に雨の日にはそれが顕著に出ます。
なぜならタイヤの溝は雨水を逃して地面をグリップするためのものだからです。溝がなくなると*ハイドロプレーニング現象も起きやすくなり極めて危険です。
余談ですがF-1などのレース用の車のタイヤには溝がまったくないものがあります。これはタイヤの構造が特殊で熱で溶けながら地面をグリップしているためです。
ただ、F-1でも雨天走行の場合はしっかり溝のついたタイヤを使用しています。
2ブレーキの効きが悪くなる
これも雨の日の話ですが雨水をしっかり排水できないのでブレーキの効きが悪くなります。特に急ブレーキを踏んだ場合は危険です。
下手すると車が明後日の方向に飛び出してしまうかも知れませんし、そこまでではないにしても、制動距離は間違いなく伸びてしまうので、要注意です。
3走行する道路が制限される
車両によっては1.6ミリ以上溝が残っていても、走行する道路に制限がかかる場合があります。
- 小型トラック・・・2.4ミリ以上
- 大型トラックやバス・・・3.2ミリ以上
残っていないと、高速道路の走行は認められません。
ただ、一般道の通行は認められています。
スリップサインを無視すると罰則がある!?
スリップサインを無視してタイヤを使用し続けると整備不良となり道路交通法違反となります。
- 普通車の場合:9千円の罰金
- 大型車の場合:1万2千円の罰金
上記が課せられます。またきちんと整備したかどうか、後日警察まで車両を見せに行く事になるかも知れません。
タイヤの車検合格ラインは何ミリ?
車検の合格ラインはすべての車両で1.6ミリ以上と定められていますので、これを下回ると車検には通りません。
疑わしい場合は実測することになっています。
実測して1.6ミリあればセーフとなりますが、合格ラインかどうか判断しかねるタイヤの場合は、早めに交換するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか!?
今回はタイヤのスリップサインは何を見れば良いかについて見てきました。スリップサインはタイヤの寿命を示す大事なマークだということも分かりましたし、磨耗したタイヤで走行し続ける行為はとても危険です。
罰則を受けるだけならまだしも、命が脅かされるとなると折角のドライブも台無しになってしまうかもしれません。
定期的にタイヤのスリップサインは確認して、スリップサインが見え始めたら出来るだけ早く交換するようにして下さい。
タイヤの交換費用や交換の目安については次の記事で紹介しましたので、是非タイヤ交換の参考にしてみて下さい。