
前回は▶︎タイミングベルトについてお話しました。
今回は全く同じ役割を果たす部品であるタイミングチェーンについてなのですが、同じ役割を果たすのに、どうして二種類の部品があるのでしょうか?
そこにはなにか理由があるはずですよね!そこでこの記事では、
- タイミンチェーンについて
- タイミングチェーンの交換費用
- タイミングベルトとの違い
について紹介しましたので、是非最後まで読んでいただき理解を深めてみて下さい。
目次
タイミングチェーンとは?
タイミングチェーンとは、回転系を持つ機械において動力伝達と同期を司る部品の事を指し、名前の通りチェーン状の形態となっています。
1990年以降、高性能なタイミングベルトの登場により、タイミングベルトに比べコストや静粛性等に劣るタイミングチェーンは、次第に使われなくなりました。
…しかし2000年以降、チェーンのコマとローラーを小型化することで静粛性を高め、再び使用されるようになったのです!
タイミングチェーンの寿命は!?
タイミングチェーンの寿命は長く、ほぼ廃車まで使用することが可能で、現在エンジンに使われているタイミングチェーンは、30万キロの走行距離まで大丈夫です。
ですが設計寿命を上回る距離を走行する個人タクシーなどは、チェーンが伸びて異音が発生する場合があります。
ただ、基本的には交換を考慮していない部品なので、部品代および工賃はタイミングベルトと比較するとはるかに高額になってしまいます。
タイミングチェーンの交換時期はいつ!?
前述の通りタイミングチェーンの設計寿命は30万キロとされていますので、30万キロを走行したら交換ということになりますが、普通のマイカーではそこまで走ることはないでしょう。
しかし、タイミングチェーンも部品ですので不具合が生じることはありえます。タイミングチェーンが伸びるなどの不具合があると、
- エンジン不調(加速が悪くなることもある)
- 燃費が悪くなる
- エンジン始動が不順(かからなくなることもある)
- エンジン警告灯の点灯
- ガラガラと音がするようになる
といった症状が出てきます。
不具合の原因でもっとも多いのは、
- エンジンオイルを定期的に交換していない
- 粗悪なエンジンオイルを使用してしまった
などです。またススが出やすいエンジンの場合、エンジンオイルに混ざってしまうと、タイミングチェーンの不具合に繋がることがあります。
タイミングチェーンの交換費用はいくら?
▶︎タイミングベルトの交換費用は部品代と工賃の合計で約35,000〜55,000円で済みますが、タイミングチェーンは交換が想定されていない部品になるので、交換費用はかさむことになります。
部品代と工賃を合わせると、
約100,000〜約200,000円
もかかります。ここで考慮しなければならないのは、その車に乗り続けるかどうか!?
オイル交換をサボっていたからと言って、日本車の場合は数年は問題なく使用することが可能です。ということはタイミングチェーンに痛みが出てきた時は、既に新車から5年以上は経過しているはずです。
もし修理して2年ほどで乗り換えてしまうと確実に損をすることになります。なぜなら下取り価格が修理代金を下回ることになるからです。
通常は不具合の出ない部品ですから、修理をせずに乗り換えを考えた方がいいかも知れませんね。
タイミングチェーンとタイミングベルトの違いは!?
タイミングチェーンとタイミングベルトはその部品としての役割は全く同じです。
あえて違いを言うなら、
- タイミングチェーン:金属製で交換を前提としていない部品
- タイミングベルト:ゴム製で劣化するので交換が考慮されている
という点でしょう。
ですので、タイミングベルトの交換費用は安く抑えられているわけですね。
まとめ
今回はタイミングチェーンについていろいろ見てきました。きちんと車検を受け、定期的にオイル交換をしていれば劣化することはありません。
何しろメーカーが30万キロの走行距離を想定している部品だからです。その為、仮にタイミングチェーンに不具合が出た時には、車を乗り換えることも考慮した方が良いです。
よほど思い入れのある車の場合は別ですが、一般的には買い替えた方がいいと思いますよ。